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::突発的にオリジナル小説とか①
空に海ができるとき(仮)
 雲海に阻まれたそこは、孤島と化していた。

 下界への道が消えた孤島は、ひっそりとした時間を刻み始める。
孤島の人間は独自の文化と時間を築いてきた。
いつしか孤島の人間は自分たちの身に起こる変化に気づく。
それは、誰もが羨んだ不老不死の身体。
その身体に、孤島の人間はなっていた。

 時間という時間を感じさせない孤島は、いつしか全ての時を止まらせてしまったようだ。

×××

「彼の冒険家は言った。“地図に載っている世界などほんの一部で、それは世界の全てでない”と」
「はぁ…」
「彼の大航海士は言った。“海や山は必ず超えられるのだ”と」
「うん…」
「というわけで、今日こそ遊船へ乗り込もうと思う!」

 高らかな声を上げ、目に幾つもの星を宿しながら彼は言う。
 彼の頭の中は興奮と妄想で埋め尽くされているらしい。
彼・マサは、未開の地へ足を踏み入れたり、海を渡ったりすることが大好きだ。
といっても、そんなたいそうなことはしていない。地元の離島へフェリーを使って行ってみたり、古くからある防空壕を「これはきっと新境地へつながってるトンネルだ!」と言いながら入っていく程度のことだ。
そこらへんにいる活発の男の子と変わりない。

「なぁなぁユキ!遊船には何がいるんだろうな!」
「さぁ…」

彼のほかの子と変わっているところがあるとすれば。
趣味や好みを合うこともない僕を友だちと呼ぶところだろう。

「徳川埋蔵金とかあったらどうする!?いっきに大金持ちになれるぜ!」
「でもそういうのって、見つけても役所に届けないといけないんじゃないの?」
「だいじょぶだろ!大人には秘密にしときゃ良いんだよ。年金だのどうのこうの勝手に使ってる政治家とかいんだから。俺等みたいな良い子がお金をちょっと使った程度、怒られりゃしないだろ」
「ていうか、徳川家康って遊船行ったことあるのかな…?」
「…あ」
「まぁきっと、僕らから見て珍しいものがあることは確かだと思うよ」
「だ、だよな~…!」

 遊船とは。
僕らが住む場所とは違う場所のことである。
現在世界には200という国があるが、その場所は何処にも属さない場所である。
そこが国なのか場所なのか何なのか。衛生が宇宙へとばせる現代になっても、遊船の実態は分かっていない。実態が明確でないのに、何故「ある」と言われているのか。
 遊船は雲という雲に閉ざされたところに「ある」。空中に存在していると有名な大学教授は謳うのだ。
 数年前、空からあるものが墜ちてきた。幸いそれは大地に住む人に当たらず、地面へとめり込むだけめり込んだらしいが、今では考えられないものが墜ちてきたのだ。
それは骨だった。
しかも僕らの住む大地では絶滅した筈の動物の骨だった。
これを新発見とし、天文学者やら考古学者が集って結論づけたのが「空中に存在する古代大陸・遊船」だった。

「テレビのニュースで言ってた。昨日日本海付近にやってきた積乱雲に遊船があるって。明日にはきっと俺たちの住むところまで遊船はくるぜ」

大地で、土のかたまりであるはずの遊船が何故島ではなく「船」と呼ばれているのか。
それは、遊船が世界をまたにかけ、空中を移動する大陸だからである。
まるでラピュタみたいな話だ。
この話に食いつかない子どもはいない。

「そうだね」

少なくとも、僕以外は。
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