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::気まぐれ文字並べ・5題「さがしても」③
さがしても 配布元:BIRDMAN

さ 燦々と輝く太陽の下でまっすぐに咲く向日葵のように
が がんばるだけが、すべてじゃない。
し 信じることなかれ
て 手紙でしか思いを届けられない私
も もういちどの奇跡






 父さんと約束をしたのは、僕がまだ小さいころだ。
そのころの僕は、父さんのズボンよりも背が低かったころで、よく父さんに抱っこをせがんでは困らせていた。
僕は父さんが好きだった。
 ある時父さんは言った。

“ただ信じろ。信じるんだ。必ず迎えに来るから”

待っていてくれ。
それが最初で最後の約束だなんて、僕は想像もしてなかっただろう。
僕はその言葉を戒めにして生きてきたんだと思う。
それが僕にとって唯一の救いであり、唯一の希望であったから。
だからか。いつの間にか。
その父さんとの約束は、僕の口癖になっていた。

“信じてくれ”

今になって思う。
なんて薄っぺらい台詞なんだろう。これほどまでに自分は偽善者ですという台詞は他にないんじゃないかと。
薄情で、これといって何ら力のないそれは、どれだけの人に希望と絶望を与えてきただろうか。

僕は、父さんが好きだった。

「よう、どうした新入り。何呆けてやがる」
「いや…、何でもない。ただ思い出に浸ってただけだ…」
「女か?」
「そんなんじゃない。そんな、綺麗なもんじゃないさ」

 今になってあの時の夢をよく見る。
人間の体はなんて都合の良い作りになってるんだ。
下手な希望は、あのときに置いてきたはずなのに。

がこん

重そうな、鉄の固まりが動く音がする。
迎えに来るだって?ばかばかしい。

「刑務作業!」

来られるのなら、早いとこ俺をここから出してくれ。



   (助けを求める声は遠くに消え、希望にすがるのにも疲れた子どもが、ここにひとり)


≫信じることなかれ
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